2012-06-04

PayPalをECサイトの決済手段にするべきでない3つの理由

@kazuntです。いやぁー。[fから始まる4文字]in' PayPalにはやられました。

ことの経緯はtogetterの 「PayPalに根拠無き「知的財産権」の侵害と断定されてアカウントをロックされた。そして @paypal_jp はだんまり。 」にまとめてありますが、簡単に書いておくと、私が運営しているECサイトで知的財産権の侵害をしているという冤罪で、約2ヶ月間、ビジネスアカウントとパーソナルアカウントの両方に、支払い受取、支払い、資金の引き出しなどほぼ全てができなくなる制限をかけられていました。

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もちろん私が手がけているのは、真正品の並行輸入販売であるため、「知的財産権」の侵害とは事実無根。

この私の経験から、PayPalを決済機能として使うのは極めて危険な場合があるということをお知らせしたく、いつもよりスクロール量を延長してお届けします。

PayPalは事実確認をせず行動にでる

アカウント制限は突然やってきました。
突然下記の内容を含むメールが送られてきて、送金・受取・資金の引き出し等ほぼ全ての機能が使えなくなっていました。事前の連絡・照会・警告など一切ありません。

お客さまの最近の取引の一部がPayPalのユーザー規約および利用規定に違反しているため、お客さまのPayPalアカウントは永久に制限されました。これらの規約および規定は、お客さまがPayPalアカウント登録時に同意されたものです。

PayPal側とやりとりするなかでわかってきたのは、PayPalがこの事実確認をせずに、アカウント制限という行動にでたこと。それを確信したのは@paypal_jpとやりとりしたメールのなかの下記の文です。

MBTブランド本社(ドイツ)より下記のURLは知的財産権を侵害しているという報告をうけ、アカウントがロックされました。

またこんな文もありました。

はい、私が見る限り、富永様は正真正銘の製品を並行輸入なさっているかと存じます。

ただし、ブランド本社様が侵害を主張し、弊社のリンクより訴えている以上、弊社からの対応はできかねます。 商標権/知的財産権を有しているのはMBT本社様で、ペイパルではありません。

つまり、権利者が「知的財産権の侵害!」と叫べば、その真偽はどうでもよくて、とにかくアカウントを使えなくすると。そう言っているわけです。

この手のPayPalとのトラブルは日本ではあまりききませんが、実は海外では沢山あるようです。そのことを知ったのは自分が被害にあってからでした。

PayPalのサポートには「日本語」が通じない

「アカウントに制限がかかったよ」メールには規約違反ということ以外書いていなかったので、当初は理由がわからなかった。そこでまずはサポートに電話です。

PayPalの電話サポートは日本語対応ということにはなっていますが、相手はあきらかに日本人ではないためか、アカウントが制限された理由を問いただすなどしても、微妙に話が通じない。

こちらの問いと相手の答えがまったくかみ合わないことも。

こちらが「偽物を販売していると判断した根拠を教えて欲しいと」訊いているのに、帰ってきた言葉は
「やはり、アカウントは制限されています…」
全く答えになっていない…

サイトのフォームからメールで問い合わせろということになったので、問い合わせてはみたところ、なんと、今度は英語で答えが帰ってきました。 こちらは日本語で問い合わせているのに。

Thank you for contacting PayPal with your concern regarding the limitation on your account.

We regret to inform you that we cannot overturn the limitation on your account. Due to the violation of PayPal’s Acceptable Use Policy, your account has been permanently limited.

はい。回答になってません。しかもこの文面のメールはこの後の再問い合わせでの返信でも、数回目にすることになります。

その後は@paypal_jpもまきこみつつ、英語でのやりとりがつづきましたが、@paypal_jpはPR担当なのでと、まともに応対する気はないようでした。

PayPalをビジネスでつかうには、トラブルがおきたとき英語で交渉する能力が必要だと痛感しました。

もっともビジネス用途でなくても、こんなトラブル事例もあります。対応の過程は私の場合とそっくりです。

訴えるにも相手がシンガポール法人なので困難

togetterまとめへのコメントで以下のアドバイスをいただきました。 

小額訴訟でも簡易裁判所でもいいから、ちゃんと司法に申してた方がいいですよ。泣き寝入りが一番よくないと思います。これだけ証拠が揃っているなら、ロック解除の裁判所命令がすぐ下りるでしょう。

しかし、日本居住者がPalPalアカウントをつくる場合、契約するのは実はシンガポール法人なのです。 

司法に訴えるにも国際的なものになり大変難しい。

難しいということは当然多額の費用がかかるということ。

ビジネス規模が大きければもしかするとそれだけの費用をかける価値があるのかもしれませんが、自分のようなスモールビジネスでは数ヶ月分の利益くらいあっという間に吹き飛んでしまうでしょう。

それでは全く意味がありません。

結局アカウント制限は解除されましたが……

6月1日下記のメールが届き、アカウント制限は唐突に解除されました。

いつもPayPalをご利用いただきありがとうございます。 PayPal Executive Escalations部署のエリスでございます。 先日、富永様のアカウントの制限の件はこちらの部署より担当することになりました。先ほど電話でご連絡させていただきましたが、繋がらなかったため、メールにてご連絡させていただきました。

並行輸入の件について、こちらより時間をかかって、再度調査いたしました結果、富永様のアカウントを復活することにしました。 現在お持ちの二つのアカウントの制限はすべて解除されました。通常どおりにご利用いただければ結構でございます。

長い調査時間をかかって、ご迷惑をおかけいたしまして、誠に申し訳ございませんでした。何卒ご理解ご了承をくださいますようお願いいたします。

4月〜5月というのはこの商材が一年で一番売れる時季なので売上は激減。笑うしかないような大損害でした。

にもかかわらず、アカウント制限解除にいたった経緯も詳しくはわからない状態です。

こんな対応する企業のサービスに自分のビジネスの大切な部分は委ねられないというのがいまの正直な気持ちです。

このトラブルの間、米法人PayPalはソフトバンクと提携してあらたな日本法人をたちあげましたが、本当に信頼できるのか甚だ疑問です。